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2013. 02. 07  
0.はじめに

 当治療室では、これまでの臨床経験からうつ病を便宜上2つのタイプに分けて治療を行っています。
 2つのタイプとは「身体性うつ病」と「精神性うつ病」です。
 身体性うつ病とは、交通事故で鞭打ちを起こした、あるいは毎日深夜まで仕事をして朝早く出社するなどを続けて疲労困憊した、また家族の介護が長期間続き極度に疲労した、出産や育児で体力を極度に消耗したなどの後に、身体機能が低下した結果うつ病を発症している場合です。一方の精神性うつ病とは、幼少期に親からネグレクトを受けた、あるいは言葉や直接的な暴力を受けた、また他のトラウマ体験があるなどで、自尊感情が低く常にネガティブな考えを抱くことでうつ病を発症している場合です。

 身体性うつ病の場合は、鍼灸治療が非常に効果的です。鍼灸治療のみで日常生活に全く問題がない状態にまで回復するケースが少なくありません。一方の精神性うつ病は、精神的な苦しみが身体に影響を与えて身体症状を引き起こし、また身体症状が精神に悪影響を及ぼすという悪循環を呈しています。この場合、鍼灸治療でその悪循環の一端を断つことは効果的ですが、それだけでは十分ではありません。精神面、特に感情をコントロールする技術を身につけることが悪循環を断つカギになります。
 以下に【認知鍼灸療法】における精神性うつ病に対する精神面へのアプローチを説明します。

1.理論編

(1)スキーマとは

 私たちは一々思考を働かせないでドアを開けたり、お茶を沸かせたり、自動車を運転することができます。これは幼少期からの躾や教育、社会経験によって「思考の枠組み」が形成されているためです。その「思考の枠組み」に沿って自動的に行為が行われるのです。この「思考の枠組み」を「スキーマ」と呼びます。


(2)自動思考とは

 自動思考とは「自然に浮かんでくる思考」のことであり、いわゆる心の中のおしゃべりのことです。例えば電車に乗り遅れてしまった時に「しまった」とか「もっと早く出てくれば良かったのに」などのような思考が心の中に浮かんできます。これらを「自動思考」と呼びます。このような自動思考もスキーマによって生じています。


(3)自滅的なスキーマとは
 
スキーマには発展的なものと自滅的なものとがあります。仕事でミスをしたときに、「良い経験が積めた、次の仕事に活かそう」と考えるのは発展的なスキーマによるものです。反対に「自分はダメな人間だ」とか「自分はもう終わりだ」などと自分を卑下する思考が生じる場合は自滅的なスキーマが働いています。


(4)スキーマの形成

 スキーマは多重層構造を呈しています。幼少期には「コア・ビリーフ(中核的信念)」と呼ばれる「人格の核」となるスキーマが形成されます。この時期に養育者(両親など)から「お前はダメな人間だ」「邪魔な人間だ」などのストロークを受けると、自滅的なスキーマが形成されやすいと考えられます。しかし自滅的なスキーマの形成には子供の感受性の問題もあります。一般的には問題のない言葉や行為が子供を傷つけることがあるからです。いずれにせよ子供の心が傷ついた場合に、自滅的なスキーマが形成される可能性が高いと考えられます。


(5)感情とスキーマ

 感情には、喜び・楽しさ・嬉しさ・幸福感などの「快感情」と悲しみ・怒り・恐れ・不安・罪悪感などの「不快感情」があります。快感情は発展的なスキーマから、不快感情は自滅的なスキーマから生じます。


(6)感情と身体

 不快感情は身体を緊張させます。そのために身体の機能が低下し、冷え・のぼせ・消化器症状・動悸・肩こり・腰痛・月経異常・免疫異常・高血圧・ガンなど多様な症状が出現する可能性があります。この身体症状がさらに感情を落ち込ませ、感情と身体で悪循環が形成されます。


(7)メタ認知とは

 このような悪循環から抜け出すためには、①身体機能を整えること②自動思考を観察しスキーマに気がつくことの2つが大切です。認知鍼灸療法では①は鍼灸治療で対応します。ところで②の自分自身の思考に気が付いている意識状態を「メタ認知」といいます。メタ認知によって無意識に行っていた自動思考を意識化することができます。このことにより自動思考によって生じていた不快感情をコントロールしていきます。


(8)行動を変える

 不快感情をコントロールするもう一つの方法は、行動を変えることです。行動を変えるとは、日常の些細な選択、例えば紅茶とコーヒー、右と左の道、階段とエレベーターなどを自分の気持ちに正直に、より心地良い方を選ぶことです。心地良いという快感情を常に選択していくと、徐々に自己否定の感情が薄れて自尊感情が芽生えていきます。そして次第に不快感情を生みだしていたスキーマが書き換えられていきます。



2.実践編

(1)思考・感情・身体反応・行動に気づくワーク

(2)信念(思い込み)に気づくワーク

(3)メタ認知獲得のワーク

(4)快感情を選択するワーク

 当治療室では以上のような方法で不快感情をコントロールし、精神性うつ病に対応しています。

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認知鍼灸療法 プラナ松戸治療室
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プロフィール

稲森英彦 / 鍼灸師・(社)日本心理学会認定心理士 

Author:稲森英彦 / 鍼灸師・(社)日本心理学会認定心理士 
心と体を統合的に癒す「認知鍼灸療法」を行っています。

鍼灸、心理カウンセリング、退行催眠セラピー、セルフヒーリング指導を通して、心身がより健康に向かうようにサポート致します。

あなたの人生がより健康で豊かなものでありますように。

心理カウンセリング鍼灸 プラナ松戸治療室

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